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WARDOGS 開発元 BULKHEAD とは|Battalion 1944 から続く英スタジオの軌跡

攻略Tips コミュニティ確認済

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注意: WARDOGS は2026年9月10日に Steam 早期アクセス開始予定の未発売タイトルです。本記事は公式発表・報道をベースにしており、発売後に更新予定です。

WARDOGS を語るとき、「100人×3チーム」「$10,000のキャッシュ経済」といったゲームシステムの話題が先行しがちですが、これを作っているスタジオ BULKHEAD の来歴はあまり知られていません。実は BULKHEAD は Tencent 傘下から独立を回復したばかりの英スタジオで、前作 Battalion 1944 で経験した挫折が、そのまま WARDOGS の設計思想に反映されています。開発元の軌跡を追うと、なぜ Team17 が WARDOGS を出版しているのか、なぜ WARDOGS が SBMM もバトルパスも採用しない方向に振り切ったのかが見えてきます。

WARDOGS 公式キーアート WARDOGS 公式キーアート(プレスキット)

パズルゲームから始まった――設立とThe Turing Test

BULKHEAD は2014年、英ダービーを拠点に設立されたスタジオです。Everplay Group の公式開示によれば、創業時のメンバーは6人という小規模なチームでした。現在は100人を超える規模に成長し、GamesIndustry.biz の「英国のベスト・プレイス・トゥ・ワーク」に2年連続で選出されています。

BULKHEAD の最初のリリースは、意外にも一人称パズルゲームの The Turing Test(2016年)でした。Square Enix Collective が出版したこの作品は、AI と人間の思考の違いをテーマにしたナラティブ重視の作品で、現在の「タクティカル FPS 専業スタジオ」というイメージとはやや異なる出発点です。

Battalion 1944 ――Kickstarterの熱狂と、コンソール版打ち切りの代償

BULKHEAD の名を一躍広めたのが、WW2 タクティカル FPS Battalion 1944 です。2016年2月に Kickstarter キャンペーンを開始し、わずか3日足らずで目標額を達成。2018年に早期アクセスを開始し、2019年5月23日に正式リリースされました。

Battalion 1944 は専用サーバーブラウザと LAN 対応、コミュニティ製 Mod・マップの導入機能を備えており、プレイヤーが自前でサーバーを立てて運営する文化を前提に設計されていました。この「コミュニティにサーバー運営を委ねる」姿勢は、WARDOGS が採用する従来型サーバーブラウザや近接 VoIP といった設計方針に、そのまま系譜として受け継がれています。

一方で Battalion 1944 には大きなつまずきもありました。Kickstarter では PS4 / Xbox One 版のデジタルキーも販売していましたが、最終的にコンソール版は開発中止となり、バッカーへの返金や十分な説明がないまま終わったのです。正式リリース後はプレイヤー数の減少とコンテンツ更新の遅延も続き、アーリーアクセス情報まとめで詳しく扱っているとおり、現在の Battalion 1944 は小規模なコミュニティが残るのみとなっています。

Splash Damage 買収、Tencent傘下を経て――独立回帰の経緯

2022年12月、BULKHEAD は Brink や Dirty Bomb で知られる英スタジオ Splash Damage に買収されました。Splash Damage は Tencent 傘下だったため、BULKHEAD もこの時点で事実上 Tencent の傘下に入ったことになります。買収後は社名を「Bulkhead Interactive」から「BULKHEAD」に改め、Splash Damage と共同で Transformers: Reactivate の開発にも関わりました。

この体制が2025年12月に転換します。Tencent は BULKHEAD を、新たに設立されたコンソーシアムへ売却しました。出資者は次の3者です。

出資者内容
Super Media Group(SMG)BULKHEAD の CEO Joe Brammer・CTO Kevin Chandler・CFO Mark Pinney が経営陣を務める新設会社
Everplay GroupTeam17(Worms シリーズ等)の親会社。SMG に20%出資(約2億円相当・£2.0M)
Hiro Capitalゲーム業界特化のベンチャーキャピタル

この取引により、BULKHEAD は開発陣自身が経営に関わる体制へと戻りました。Team17 の親会社である Everplay が出資者に入っていることが、WARDOGS のパブリッシャーが Team17 である理由です。Everplay はさらに、Team17 の看板タイトル Hell Let Loose シリーズの将来作についても BULKHEAD との共同開発を検討していると公表しています。Battlefield・Hell Let Loose との違いで触れているとおり、WARDOGS は開発陣自身が Hell Let Loose を意識した発言をしているだけに、この資本関係は偶然ではなさそうです。

「プレイヤーの時間とお金を尊重する」――Battalion 1944の反省がWARDOGSの設計に

CEO の Joe Brammer は、WARDOGS のプログレッション設計について次のように語っています。

"We realised players were giving us their money and time, and we've got to respect that."(プレイヤーは私たちにお金と時間を投資してくれている、それを尊重しなければならないと気づいた)

この発言の背景にあるのが Battalion 1944 での経験です。限られたリソースの中でコミュニティの要望に応えきれなかった反省から、WARDOGS ではシーズンごとにリセットされるのは「キャッシュ」だけとし、キャラクターの熟練度(XP)は永続させる設計を採用しています。Valorant のような競技志向シューターを参考にしつつも、アカウント丸ごとのリセットは避け、ベテランプレイヤーが得る優位性(息止め時間の延長、命中精度の向上など)も新規参入の障壁にならない程度に抑えているとしています。

技術面では、航空宇宙・弾道学の専門家の知見を取り入れた自社製フレームワーク「War Dynamics Framework」を Unreal Engine 5 上に構築。100人という高密度な戦闘を成立させるため、見た目の派手さよりパフォーマンスと入力遅延の低さを優先する設計思想だと公式が説明しています。

WARDOGSのヘリコプター飛行シーン WARDOGS 公式スクリーンショット(プレスキット)

*動画: Future Games Show / BULKHEAD*

まとめ――過去の失敗から何を学んだスタジオか

BULKHEAD の軌跡を整理すると、パズルゲームの新人スタジオが WW2 タクティカル FPS で名を上げ、コンソール版打ち切りという痛い経験を経て、Splash Damage・Tencent 傘下を経由し、最終的に開発陣自身の手に経営を取り戻した——という10年強の物語が見えてきます。

WARDOGS の「SBMM なし・バトルパスなし・従来型サーバーブラウザ」という設計は、思いつきの差別化ではなく、Battalion 1944 のコミュニティサーバー文化と、そこで学んだ「プレイヤーの信頼を裏切らない」という反省の両方から導かれたものです。100人×3チームというシステム面の詳細はWARDOGS 今わかっていること総まとめ、早期アクセスとしての現状評価はアーリーアクセス情報まとめで扱っています。過去に一度コミュニティの期待に応えきれなかったスタジオが、9月10日からの早期アクセスでその反省をどこまで体現できるか——BULKHEAD というスタジオを知ったうえで見ると、WARDOGS の評価軸も変わってくるはずです。

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