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Clutch の物語とキャスト|脚本 Jamie Brittain・主演 Tosin Cole/Little Simz

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注意: Clutch は2027年春発売予定の未発売タイトルです。本記事は公式サイトおよび公式発表・報道をベースにしています。ストーリーの詳細は今後の続報で更新される可能性があります。

レーシングゲームの新作発表で、開発チームの名前と同じくらい「脚本家」と「俳優」の名前が話題になることは、正直なところ珍しいです。Forza Horizon にも The Crew にも専任の脚本家はクレジットされていません(比較の詳細はClutch は Forza Horizon・The Crew とどう違う?で扱っています)。Clutch はここを意図的に差別化ポイントに据えていて、英ドラマ『Skins』の共同制作者を脚本に迎え、ドラマや映画で実績のある俳優をキャスティングしています。本稿では、この「物語の側」——誰が書き、誰が演じ、どんな話なのか——を公式ソースから整理します。

舞台は「フレンチリビエラ」——モナコは劇中都市のひとつ

まず前提を整理します。Clutch 公式サイトは本作を「the worlds of professional and underground street racing collide across the French Riviera(プロと裏社会のストリートレースの世界がフレンチリビエラで衝突する)」ゲームと説明しており、公式プレスリリース(Games Press 発表を伝えた Gematsu の報道)でも舞台は「Riviera 1000(R1K)レーシングトーナメントが開催されるフレンチリビエラ」と明記されています。ゲーム全体のブランディングとしては、一貫して「フレンチリビエラ」が公式の説明です。

一方で、公式のゲームプレイ配信では劇中マップの具体的なロケーションとしてロンドン・モナコ・フレンチリビエラの3つが公開されており、モナコは実寸よりやや拡大されたスケールで再現されていることも明かされています。つまり「モナコが舞台」は誤りとまでは言えないものの、公式の設定表現としては不正確で、正確には「フレンチリビエラ」という大枠の中にモナコという劇中都市が存在する、という位置づけです。開発元 Maverick Games 自体もモナコ拠点("Made in Monaco" を標榜)のため、この二つは混同されやすい構造になっています。

脚本は Jamie Brittain——『Skins』の共同制作者

物語を書いているのは Jamie Brittain。公式プレスリリースでは「acclaimed Skins co-creator(高く評価されている『Skins』共同制作者)」という肩書きで紹介されています。『Skins』は2007年から英チャンネル4で放送された青春ドラマで、10代の若者たちの生々しい人間関係を赤裸々に描いたことで知られるシリーズです。レーシングゲームの脚本にドラマ畑のクリエイターを起用するのは異例で、Maverick Games が本作を「レーシングゲーム」ではなく「ドライビングゲーム」と呼び続けている理由の一端がここにあります。

兄妹 Theo & Cass と、二重生活という舞台装置

物語の主人公は兄妹の Theo Martial と Cass Martial。公式サイトの説明を引用すると、「siblings Theo and Cass Martial become entangled in a conspiracy spreading across the Riviera's racing world(兄妹の Theo と Cass Martial は、リビエラのレーシング界に広がる陰謀に巻き込まれていく)」というのが物語の骨格です。

二人の生活は、昼は公式レーストーナメント「R1K(Riviera 1000)」の正規レーサー、夜は地下レース組織「Midnight Collective」のドライバーという二重構造になっています。公式サイトも「Compete in elite sanctioned racing by day, then descend into the underground after dark(昼はエリート公認レースを戦い、夜は地下世界へ降りていく)」という表現でこの二重生活を説明しており、Clutch のアイデンティティそのものと言っていい設計です。

海外メディア Worthplaying が伝えた続報によれば、物語は R1K の決勝戦で起きる大事故が引き金となり、Theo が Midnight Collective のサブカルチャーに深く関わっていく——というのが序盤の展開とされています。具体的な筋書きの全容はまだ公式が明かしていないため、本稿では「巻き込まれ型の陰謀劇」という骨格の確認にとどめます。

養親 Ludo Martial——元 R1K のスーパースター

Theo と Cass を養子として迎えたのが Ludo Martial です。かつて R1K を席巻したスター選手という設定で、声を担当するのはフランスの俳優 Gregory Montel。実の親ではなく養親という関係性は、兄妹がなぜ「Martial」という名で R1K の世界に生きているのかという背景を示唆していますが、養子に至った経緯そのものはまだ明かされていません。

確認されているキャスト

公式プレスリリースおよび複数メディアの報道で確認されている出演陣は以下の通りです。

役名俳優代表作
Theo MartialTosin ColeDoctor Who(Ryan Sinclair 役)、Supacell
Cass MartialLittle SimzTop Boy(Shelley 役)、Venom: Let There Be Carnage
Ludo MartialGregory MontelCall My Agent!(Gabriel Sarda 役)、The Killer
George McBridePeter SerafinowiczGuardians of the Galaxy、Shaun of the Dead
Emery WhitmanJane PerryReturnal、HITMAN
(役名未公表)Kieron MooreBoots、Code of Silence

Tosin Cole——『Doctor Who』の元コンパニオン

主人公 Theo を演じる Tosin Cole は、英 BBC の看板 SF ドラマ『Doctor Who』シリーズ11・12(2018〜2021年放送)で、第13代ドクターの旅の相棒 Ryan Sinclair を演じたイギリスの俳優です。2024年には Netflix のヒーロードラマ『Supacell』で主演の Michael 役を務め、批評家から高い評価を受けました。ドラマの主役級を張ってきた俳優が、レースゲームの主人公役に起用されたこと自体が今回のキャスティングの目玉のひとつです。

Little Simz——受賞歴のあるラッパー、そして『Top Boy』の女優

妹 Cass を演じる Little Simz は、本名 Simbiatu Ajikawo。英国出身のラッパー・シンガーであり、俳優としては Netflix のドラマ『Top Boy』(2019〜2023年のリバイバル版)で Shelley 役を演じたことで知られています。2021年公開の『Venom: Let There Be Carnage』では、ナイトクラブのシーンで本人役として楽曲を披露するカメオ出演も果たしました。音楽での知名度が非常に高い人物が声の出演者としてクレジットされている点は、Clutch のキャスティングの本気度を物語っています。彼女の起用と、ゲーム本体のスコア制作(作曲は Dave Fox)が別の話である点はClutch の音楽・サウンドデザインで分けて整理しています。

Gregory Montel——『Call My Agent!』の名物エージェント

養親 Ludo を演じる Gregory Montel はフランスの俳優です。Netflix で世界的にヒットしたフランスドラマ『Call My Agent!(原題:Dix pour Cent)』で、芸能事務所の敏腕エージェント Gabriel Sarda を2015年から演じ続けたことで知られています。近年では David Fincher 監督の映画『The Killer』にも出演。ヨーロッパのドラマ・映画ファンには馴染み深い顔ぶれです。

なぜレースゲームで「物語」と「俳優」が前に出るのか

Forza Horizon や The Crew といった同ジャンルの人気シリーズは、いずれも専任の脚本家や俳優をクレジットしておらず、プレイヤー自身の体験や自由度を主役に据えた設計です(比較の詳細はClutch は Forza Horizon・The Crew とどう違う?を参照)。Clutch が『Skins』の脚本家と、ドラマ・映画で実績のある俳優陣を揃えたのは、「運転ゲーム」ではなく「物語を運転で語るドラマ」という立ち位置を明確に示すための選択と読めます。開発元 Maverick Games の正体については開発元 Maverick Games とはで詳しく扱っています。

まとめ

現時点で公式に確認できているのは、脚本が Jamie Brittain(『Skins』共同制作者)、主人公兄妹 Theo・Cass Martial 役が Tosin Cole と Little Simz、養親 Ludo Martial 役が Gregory Montel、そして舞台が「フレンチリビエラ」(モナコはその中の劇中都市のひとつ)という骨格までです。物語の詳細な筋書きやエンディングに関わる部分はまだ伏せられており、2027年春の発売に向けて続報が出るたびに更新が必要になるでしょう。次にウォッチすべきは、実機プレイでこの「ドラマ性」がどこまでゲームプレイに落とし込まれているかという点です。

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