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Phantom Blade Zero 主人公「Soul」とは — 設定・物語・モーションの作り込みを考察

攻略Tips コミュニティ確認済

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注意: 本記事は2026年6月時点の公式発表・トレーラー・開発者インタビューに基づく考察です。製品版で変更される可能性があります。

まず結論から

Phantom Blade Zero の主人公「Soul」は、余命66日というタイムリミットを抱えた元暗殺者です。組織「The Order」に育てられ、他者のために戦い続けた男が、初めて自分の意思で行動する——それがこの物語の核心です。武侠文学の「侠客(Xiake)」精神を現代アクションRPGに落とし込みながら、S-GAMEは実写俳優によるフェイシャルキャプチャや20人以上の武術マスターによるモーションキャプチャで、過去に類を見ないキャラクター造形を実現しています。


Soulとは何者か

The Orderの精鋭暗殺者

公式情報によると、Soulは秘密組織「The Order」の精鋭暗殺者です。幼少期に組織の創設者——族長と呼ばれる人物——に引き取られ、暗殺者として育てられました。彼の前半生は、「殺す相手を自分で選べない」という拘束の中にありました。ディレクターのSoulframe Liangはインタビューの中でこう語っています。「Soulは中国版のジョン・ウィックだ」と。

ジョン・ウィックとの共通点は表面的なアクションではなく、組織への忠誠と個人の自由意思の葛藤にあります。ウィックが「血の誓い」に縛られた殺し屋であったように、Soulもまた自らの意思とは切り離されたところで動いてきた。その点でこの比喩は本質を突いています。

66日間の余命と物語の構造

物語の発端となる事件は明快です。族長殺害の濡れ衣を着せられたSoulは、The Orderの追手との戦いで心臓に致命傷を負います。謎の癒し手によって一命を取り留めますが、その治療効果は66日間しか持続しません。

この「余命カウントダウン」という構造は、プレイヤーに強い緊張感をもたらすと同時に、Soulのキャラクターに深みを与えています。死が確定している中で黒幕を追う——これはゲームデザインとしても、物語としても、ひとつの問いを突きつけます。「なぜ戦うのか」という問いに、Soulは初めて自分自身の答えを出すことができる。開発者がテーマとして掲げているのはまさにこの「自分の意思で生きる」という内的変化です。

同様の構造を持つゲームで例えるなら、『十三機兵防衛圏』の「タイムリミットが物語の緊張を維持し続ける設計」に近い感覚があります。ただしPBZはそれをオープンワールドアクションの枠組みで実現しようとしている点が異なります。


「侠客(Xiake)」という思想

武侠文学の英雄像

Soulのキャラクター設計において、開発チームが強く意識しているのが東洋的英雄像「侠客(Xiake)」です。武侠小説や映画に登場するこの概念は、単純な強さではなく、弱者への義、信義の貫徹、個人としての誇りを体現した人物像を指します。

公式では、Soulはこの侠客精神の「体現」として位置づけられています。興味深いのは、ゲームプレイにもこの思想が反映されている点です。

名誉システム(Honor System)

公式が明らかにしている「名誉システム(Honor System)」は、プレイヤーの選択がSoulの侠(Xia)精神の体現度に影響し、メインストーリーの展開を変えるというものです。具体的な分岐内容はまだ公開されていませんが、このシステムの存在は、Soulを「操作するキャラクター」ではなく「育てるキャラクター」として設計していることを示しています。

Dark Souls系のアクションRPGでは珍しい、モラル的選択肢がストーリーに絡む設計——これはむしろ『仁王2』や『Ghost of Tsushima』に近い方向性です。侠客としての行動が積み重なることで、Soulの物語は単なる復讐劇を超えていく可能性があります。


キャラクター制作の裏側

フェイシャルキャプチャとモデル

公式情報によれば、Soulの顔モデルとフェイシャルキャプチャは、上海在住のモデル兼舞台俳優であるYuchengが担当しています。舞台経験を持つ俳優を起用したのは、表情の豊かさと微細な感情表現を重視したためと推測されます。ゲームの主人公として、セリフのないシーンでも表情だけで感情を伝える必要があるため、この選択は理にかなっています。

英語版のCVはJay Maksenuk(IMDb掲載)が担当することが確認されています。日本語版および中国語版のCVは2026年6月時点では未発表です。また、「魂」という漢字表記が公式日本語素材で確定しているかも現時点では未確認のため、本記事では英語名「Soul」を主に使用します。

Yuen Chee-yanとJackie Chan Stunt Team

アクション監督に袁志仁(Yuen Chee-yan)を迎えた点は、PBZのアクション品質を語る上で外せません。Jackie Chan Stunt Team出身のYuen Chee-yanが参加することで、70〜90年代香港カンフー映画の動きを正確に再現するためのノウハウが直接注入されています。

モーションキャプチャは上海のFlying Goatスタジオで行われました。特筆すべきは収録方法です。ワイヤーリグを使用しつつ、後から映像をスピードアップする手法を使わず、「見せたい速度そのままで演じる」方式を採用しています。これは俳優・スタント両者に高い技術を要求するアプローチで、20人以上の武術マスターが参加しています。

この方式の意味は大きいです。後処理でスピードを操作した動きは、どこか不自然なリズムを持ちます。実際の速度で収録した動きは、それ単体でフィジカルな説得力を持つ。Soulの動きがトレーラーで「速いのに重い」と感じられるなら、それはこの収録方式の成果だと推測されます。

担当人物・組織役割
顔モデル / フェイシャルキャプチャYucheng(上海・舞台俳優)Soulの表情全般
アクション監督Yuen Chee-yan(袁志仁)香港カンフー映画的アクション設計
モーション収録Flying Goatスタジオ(上海)ワイヤーリグ・実速度収録
武術指導20人以上の武術マスター各技法の技術提供

戦闘システムとSoulのキャラクター性

「Kungfupunk」という戦闘コンセプト

開発チームが戦闘スタイルに名付けたのが「Kungfupunk」という造語です。70〜90年代香港カンフー映画の再現を目指しつつ、速度感はDMCより遅く、Sekiroより速い「中間速度」に設定されています。

この速度設計はSoulのキャラクター性とリンクしています。Soulは超人的な反応速度を持つ暗殺者ですが、魔法や気功で物理法則を無視するタイプではない。人間の延長線上にある技術の積み重ねとして戦う——その「人間くさい強さ」が侠客としての彼に合っています。

武器システムとSha-Chi

公式が確認している戦闘仕様は以下の通りです。

スロット分類詳細
主武器1・2番号付きBlades各々固有のUltimateを持つ
副武器1・2Phantom Edges槍・斧・キャノン等20種以上

リソース「Sha-Chi(煞気)」は重攻撃とUltimateで消費されます。Sekiroの体幹システムに類似した緊張感を生むと推測されますが、具体的な仕様は製品版で確認が必要です。

完璧なパリィを決めると敵の背後へ瞬間移動する「Ghostep(鬼歩)」は、このシステムの中核をなします。暗殺者としてのSoulが持つ「影のように動く」というキャラクター性が、ゲームプレイの一手に直結している点は評価できます。Sekiroの「ジャスト受け流しから攻勢に転じる」快感を、よりダイナミックな空間移動で表現しようとしているように見えます。


Phantom Worldという舞台との関係

Soulが動くのは「Phantom World」と公式が名付けた世界です。明朝前後の中国を基盤に、スチームパンク・オカルト・ホラーの要素が混在しています。この世界観の混成は、侠客という古典的ヒーロー像と技術・怪異が入り乱れる環境を生み出し、Soulが向き合う敵の多様性を担保しています。

The Orderという組織が「秘密」であることも、この世界観と密接に関係していると推測されます。Phantom Worldにおいてオカルト・超常的存在と戦える組織が秘匿されなければならない理由——それはSoulの過去と黒幕の正体を考える上で重要な問いになりそうです。


発売に向けて

2026年10月29日、PS5およびPC(Steam)での発売が確定しています。当初は9月9日発売予定でしたが、モデルと環境グラフィックの品質向上を理由に50日延期されました。この決定は、S-GAMEがSoulのビジュアル品質に相当のこだわりを持っていることの証左でもあります。

Phantom Blade Zero の戦闘画面 画像: Steam ストアページ © S-GAME

Soulというキャラクターは、確定している情報だけでも多層的な設計が見えます。余命を抱えた暗殺者、侠客精神の体現、実速度で収録されたモーションと実在の舞台俳優の表情——これらが製品版でひとつに統合されたとき、近年のアクションRPGの中でも際立った主人公像が生まれる可能性があります。発売後の実際のプレイで、どこまでこの設計が機能しているか確認したいところです。

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